都道府県を跨ぐ転職をした
2022-07-27 07:55
タイトルの通り、転職をした。4月から転居して別会社で働いている。
職種は自社SaaSシステム開発のWebエンジニア(バックエンド)。
転職活動への全集中という言い訳の下、 このブログを含む日常の「不要不急」を一切合切投げ打って進めてきた。 そこにプラスで生活の大きな変化とか、終わったら終わったで仕事も変わって一杯一杯とか、 これまた言い訳の3乗を重ねた結果こんな時期まで遅くなってしまったけれど、 ようやくブロガーリハビリを兼ねて考えを整理したりしてみる。
トータルの転職活動としては丸1年、本格的に力を注いだのは半年ほど。 転職と一言で言っても、傾ける情熱もゆるめから全力まで様々で、方法もスカウト、応募、エージェントなど色々あるが、 個人的にはその全てを一通り経験するぐらい効率の悪い転職活動をしてきたと思っている。
その上、初の転職で都道府県を跨ぐという比較的珍しい(?)パターンでもあったのだけど、 最終的には自分の希望を9割方満たしていると言っていい会社に転職できた。 その経緯を書いていくことで、いろんな立場の中で転職を考える人にとっての何かの足しになればと思う。
軽く自己紹介
転職活動当時の状況で言うとこんな感じ。
- 30代をそこそこ過ぎたWebエンジニア (バックエンド)。
- 妻と生後1年未満の子あり。
- 新卒から入った会社で客先常駐型のSIerとして勤務。
- 中途半端にリーダーっぽい立ち位置にいる。
エンジニアとしては年齢がそこそこ行ってて、初転職としては遅め。その上高い技術力があるわけでもない。 そこら辺に転がってるようなショボいエンジニアの転職活動の記録と思ってもらえれば。
転職活動の推移
トータルでの転職活動は、大体以下のような感じで色々試す結果になった。
- 転職ドラフトでゆるくスカウト待ち (2021年4月〜2022年1月)
- コーポレートサイトから直接の応募 (1社のみ: 2021年9月〜2021年10月)
- Greenで片っ端から応募しまくり (2021年10月〜2021年12月)
- レバテックキャリアでエージェント経由 (2021年12月〜2022年3月)
- dodaでエージェント経由 (2022年1月〜2022年3月)
転職体験談を色々読んでみると、 数社受けただけで決まったなんて人もいれば全然決まらず苦労した人もいて様々だけど、 言うまでもなく俺は後者のタイプだった。
その理由のひとつとして、自分のやり方に合った方法に辿り着くまでに時間がかかったからというのもあると思う。 もちろん実力不足も大いにあるので、効率よくやってればもっと早く決まったなどと言う気はないけれど。
色々なサービスを渡り歩いた結果、最終的にはレバテックキャリアで内定をもらった企業に決めた。 3〜5ではそれぞれいくつか内定をもらったりしたけれど、仕事面でも条件面でも自分の希望に一番近かったところを選んだ形。
活動開始まで
初めて転職を意識したとき
最初に転職を意識し出したのは、一昨年(2020年)の後半ぐらいに遡ると思う。 つまりこのブログを始めた10月頃には既にそう思っていたので、転職に向けて自分のスキルを高める、 ということも全く意識してないわけではなかったけど、とはいえその時点ではそんな強いもんでもなかった。 なのでブログはあまり関係ない。
理由はハッキリと1つには絞れない。 COVID-19で世間も仕事のやり方も大きく変わったからか、 その年に未経験で入ってきた中途の子が生き生きと楽しそうに仕事をしているのを一番間近で見ていたからか、 直近1年少々の間に結婚→妻妊娠→出産と1段飛ばしぐらいの勢いで人生のステージが変化しまくっている最中だったからか、 仕事へのモチベーションが僅かながら徐々に減退していて、それを止める手立ても見つけられない状況だったからか。
とにかく、色んな事情が重なったことで、「俺、このままでいいのかなぁ」みたいなありきたりなことを考えたのだと思う。 でも特に何もしなかった。こんな時期にそんなこと言ってる場合か、という想いもあったし、 何より、新卒から勤め続けた今の職場を離れるというイメージも勇気もなかったから。
初めて転職を決断したとき
漠然とそういう思いを持ったまま、半年ぐらい経った。 娘が産まれてからは相変わらず人生2倍速状態だったけど、お仕事の方は半期に一度の人事評価の時期。 この辺りで転職したいと考えるようになったんだと思う。
ある日、人事評価に向けて上司に提出する自己評価資料を作ってるときに、 ふと「なんか俺何もできてないな」みたいなことを感じた。 まぁ、自分自身はもともと自己評価が高い方じゃないと思うし、 客観的に見ればもしかしたらそんなこともなかったのかもしれないけれど、 少なくともその時の俺はそう感じたのだと思う。
それがキッカケというほど大きな出来事でもないけれど、これまでの漠然とした気持ちと比較すると、 弱いながら「転職したいなぁ」という意思が明確に表に出てきた瞬間だった。
これが2021年4月下旬の話。思ったその日のうちに転職ドラフトに登録した。
転職の条件
転職にあたって思い描いていたゴールは多少なりとも考えていた。
- 主要都市への転居、もしくはフルリモート勤務
- 自社製品の開発か、最低でも客先常駐(SES)のない働き方
- 年収をアップさせる
3つ目は強い希望はなかったけど、とはいえ現実的な部分で家族の生活という話もあるので、 「今より下がってもいい!」なんてことは一切考えなかった。最低でも現状維持がベース。
2つ目は現業が客先常駐型のSIerで、環境的には相当恵まれていたと今でも思ってるけれど、 それでも少なからず不満や物足りなさもあったので、なんにせよ自社でとは考えていた。割と強めの希望。
しかし何よりも問題なのは1つ目だった。
転職開始当時は地元住まいで、一応は政令指定都市ではあったのだけど、エンジニアとして求めたい仕事が多い土地とは言えなかった。 そこで、2つ目の希望を満たすためにも、それなりに縁のある主要都市への転居、つまり都道府県を跨ぐ引っ越しか、 引っ越さなくてもフルリモートの勤務ができる環境のどちらかがマストだった。
これは活動当初から絶対の条件だったので、地元での転職活動は最初から最後まで一切しなかった。
都道府県を跨ぐ転職は難しいか?
経験者の立場から言うと、今のご時勢で都道府県を跨ぐ転職が極端に難しいとは感じなかった。
今回の転職活動では、面接はほぼ全てリモートが主体で、直接足を運んだのは活動を通して2度しかない。 移動は新幹線。1つは最終面接、もう1つは内定後のオファー面談という形で、どちらも交通費は出た。
逆に言えば、遠方からの転職活動が成り立ったのはこの事実があってこそだった。 そうじゃなかったら毎回新幹線移動で面接なんてことになって、 とてもじゃないけど時間的にも体力的にも続けることはできなかったと思う。 少なくとも、ここまで希望を満たす形でのゴールは確実に望めなかった。
これは、業種的に採用活動を元々リモートでやってる企業も多かったというのもあるが、 やはり少なからず世間の情勢に助けられた部分も大きいのだと思う。 ある意味、遠方からの求職者にとっては追い風と言えるかもしれない。
希望年収の決め方
希望年収への強いこだわりはなかったけど、実は最初は結構強気な数字を設定していた。 俺の場合は地域差も意識していたとはいえ、現年収から3〜4割近く上げる計算。
それは、自分を安く見せすぎるのも、自分への自身のなさの表れ (事実そうだけど) と捉えられてかえってマイナスかなと思ったから。 あとはまぁ、雇う側としては出すお金は極力低く済ませたいだろうし、 最低ラインを低くすることでそのラインに合わせて提示されることを懸念した。 こだわりがないっつったって、多ければ多い方がいいに決まってるし。
ただ、終わってから振り返ってみると、これは失敗だったと思う。 ほぼ全てエージェントに言われたことになるが、以下のようなことを考えるべきだった。
- 単純に門戸が狭くなる。
お互いどんなにマッチしたしても、企業によって出せる範囲というのは限られているため、落とされる可能性が上がる。 - 高望みと受け取られる。
一概に言えないけど、現年収から2割ぐらいUPが一般的な範囲らしい。 現年収がある意味実力を測る数字にもなるわけで、あまりに乖離すると自己分析ができないと取られる恐れもある。 - 欲しい人材なら評価はされる。
当たり前のことだけど、他の会社に取られたくないと思われるなら、年収を最低ラインに合わせてくるということはない。 ほとんどの場合、その会社ができる範囲で提示はされるはず。
もちろん、アピールがうまくて相応の実力を持ってる人には当てはまらないことだけど、 そのどちらも突出してるわけではない自分には向かなかった。
実際、希望年収を下げてからは、それだけが原因ではないと思うけど、 内定の数はかなり増えたし希望を上回る提示もあった。 最初に懸念していたことも全くの的外れだとは思ってないが、 得られるメリットよりデメリットの方が上回っていたように思う。
転職サービスを選ぶ基準
結論から言うと、初めて転職する人はエージェント型のサービスを使えばいいと思っている。
自分の場合になってしまうが、大きく3種類のサービスを試してみた結果感じたことを書いていく。 正式名称があるかは分からんけど、とりあえず「スカウト待ち型」「自己応募型」「エージェント型」としてみる。
スカウト待ち型
これは転職ドラフトにあたる。 他にこのパターンのサービスがあるかは知らないけど、この後書く自己応募型サービスでもスカウトは来たりする。 ただ、今回はほぼ転職ドラフトのみに焦点を当てて書く。
まず、基本的に受身な進め方になるため、期限を決めた活動には向かない。 俺は使わなかったけど、興味のある会社に指名して欲しいとラブコールする機能もあるため、 能動的に動くことができないわけではない。 ただ、指名と返答はそれぞれ1ヶ月に1度の一定期間と決まっているので、 どうしてもその縛りに予定が左右されやすいとは思う。
次に、「年収を先に提示される」仕組みが、実力以上の評価になってしまっていると感じた。 指名はいくつかもらったが、中には夢にも思わないような年収を提示された指名もあった。 そういった指名も結局は色んな理由で辞退したのだけど、正直内定をもらえたとも思えなかった。 前述の希望年収の話と一緒で、先に向こうから年収を提示される以上、 (当たり前だが) そのラインに見合った実力がなければ落とされるだろうし。 こちら側の年収の妥協という選択肢が残しにくいように思う。
逆に言えば今現在不当な評価をされてるような人は、現年収というフィルター無しでフラットな評価がされるだろうし、 実力さえあれば一番年収を上げやすいシステムだと思う。 受身であることについても、「今すぐ転職したいわけじゃないけど、条件良いとこあれば転職したいなぁ」という温度感なら、 毎月指名を待つというのはちょうどいいかもしれない。実際、俺自身も最初はそのぐらいの気持ちで始めたし。 指名を受けるとやっぱり嬉しいし、わかりやすく数値での評価を得られるのは多少自信にもつながった。
あくまで今回の転職では、自分自身のやり方にも実力にも合わなかったというだけだ。 ハードルは高いが、合う人には合うって感じのシステムだと思う。
ちなみに転職ドラフトにもエージェントサービスがあるみたいだけど、使ってないので割愛する。
自己応募型
これは、今回使ったGreenと、企業のリクルートページからの直接応募にあたる。 Greenにフォーカスして書くけど、世の中に掃いて捨てるほどある求人情報サイトも、 それぞれ特色はあるにせよ大体同じようなものだろうとは思う。 ちなみにGreenはWeb系の求人が多いという前評判を見て選んだ。
長くなったので結論だけ先に書くけど、 あくまで「興味のある企業を探して応募する」「メッセージのやりとりをする」機能だけを使うと考えて、 それ以外の行動や計画、進捗管理は全て自分でやるつもりで考えた方がいい。それ以外はぶっちゃけ役に立たない。
応募の方法
まず、スカウト待ち型と真逆で、当たり前だけど自分で行動しないと何も進まない。 まぁ、厳密に言えば、登録した瞬間から毎日ウンザリするくらいスカウトのメッセージが飛んでくるので、 実際は何も進まないってこともないけど。このスカウトメッセージについてはかなり質は低めで、 経歴にマッチしたワードがあれば片っ端から飛ばしてるんだろうという内容がほとんどだったので、 一切見なくても問題ない。面倒すぎて全部は真面目に見てないが。
求人を自分で探して自分で応募というところからスタートなので、探すだけでも結構労力がかかる。 俺の場合はどちらかというと、ゼロから検索かけて探すってより、「企業からの気になる」という仕組みを中心に使っていた。 多分、事前に登録した情報をもとに自動的に選別されたであろう企業の情報がくるやつ。 こちらもそれなりの量来るけど、スカウトメッセージよりは見る価値のある情報があったように思う。 と言っても、体感で2割ぐらいの精度だけど。いらんのは片っぱしからリストから消していく感じでなんとなく使えてた。
進捗とスケジュールの管理
次に思い出されるのは、各企業ごとの進捗状況の管理は全部自分でやることになること。 これも当たり前の話なのだけど、実際の管理は「当たり前」と言えるほど単純なものじゃなかった。
履歴書や職務経歴書を出して面接何回かというのが一般的なパターンだけど、 企業によっては他の書類を求められることもあるし、適正試験があったりもする。 面接の回数も2回から最大4回ってのもあったし、レスポンスの速度もバラバラ。 酷いところは1週間以上放置されたところもある。 (しかも選考通過してて、そこからの調整もまた長いっていう。やってられんし転職先としても信頼できないので断った)
俺の場合は、エンジニアとしてはアナログなやり方だけど、 応募した企業を全部紙に書き出して「今の状況」「必要な書類や作業」「面接の日程」とかを書いて、終わったものは横線で消したりしてた。 あと確定予定はスケジュール管理のツールに登録してたぐらい。 まぁ、これは今回の転職活動を通してずっと同じやり方をしてたので自己応募型に限った話ではないけど、 システム的な手助けがあるかないかは結構違う。
そういう部分においては、Greenは役に立たなかった。 他ではあるのかもしれないけど、少なくともGreenにあるのは企業に応募したりメッセージのやりとりをしたりする機能だけ。 メッセージの中に一応のステータスはあるけど、少なくとも俺の知る限りでは、 「選考中」とか「選考終了」とかその程度の簡易的なもので、「一次選考中」とか「試験受験待ち」なんて細かなものはなかった。 アプリに至っては、もう選考終わって非表示にしたメッセージすら出てきて、しかも消せないからはっきり言って論外だった。 補助ツールとしての期待はせず、「情報を探して応募するだけ」のものだと思って間違いない。
応募は計画的に
俺の場合は、転職活動のリミットを漠然とイメージし出した頃にGreenに登録した。 決めないといけないというプレッシャーもあったし、何もしないとそれはそれで不安なので、 最初は興味があるところに片っ端から応募して、面接予定をどんどん埋めていった。 週に3回も4回も面接を受けるのが当たり前で、MAXだと週に6回、1日に3回の時があった。
そんなやり方をした結果、応募した後の面接予定が確保できなくてこっちから辞退する羽目になったり、 予定の調整も3〜4社同時にやるもんだから、2社から同じ時間帯を指定されて、 「都合が悪くなったので別の候補を…」とかいうやりとりが更に必要になったりもあった。
実際問題、仕事の合間にいくつも面接候補日を出すもんだから、複数社に全部違う時間帯を提示するなんて現実的に不可能で、 被らないことを祈りつつ候補日を出していくしかなかった。 それでも、できる限り被らないように候補日を考えるとか、どの会社にどの候補を提示したかとか、 この会社は志望度高いから候補日はこうしようとか、確定した予定以外の「決まってない予定の管理」が必要になった。 もう今こうやって書くだけでも死ぬほど面倒臭いし、ただでさえ書類だの面接だのですり減ってる脳内リソースも無駄に消費していた。 そのせいか、Greenでの転職活動の後半は熱出して寝込んだ時期もあった。
上に書いたことは、転職活動が不慣れな時期だったことで加減を知らない極端な例だと思う。 ただ俺の場合、受けた会社はどのサービスより圧倒的に多いのに、本当に行きたかったところからの内定はゼロだった。 せっかく選考に進んだ会社でも予定の都合でこっちから蹴ったこともあったし、 詰め込みすぎた結果対策の質が悪くなっていたのも否めない。内定をもらったところも、違うなと思って断った。
経験という視点ではそれら一つ一つに意味がなかったとは思わないが、 目的はあくまでも「志望に合致する内定を獲得すること」であって面接や無用な内定の数を増やすことではないので、 数打ちゃ当たる戦法をとるにしても、限度ってもんがあるのを知っておくべき。
エージェント型
最後はエージェント型。今回使ったレバテックキャリアとdodaにあたる。 最初に書いたように、レバテックキャリアで転職先を決めたし、 初めての転職ならエージェント型がいいと思っている (※レバテックキャリアがいいとは言ってない)。
サービス内容
簡単に流れだけ書くとこんな感じ。
- まずエージェントに登録したら最初に面談 (Web会議だったり電話だったり) が1時間ぐらいあって転職の方針をすり合わせ。
- その希望に沿った求人をエージェントがどんどん出してくるので、内容を見て応募するか否かで捌いていく。
- 面接が決まったら必要に応じて面接対策をする。予定の組み方だったり全般的な方針のサポートもされる。これはLINEか電話。
初めての転職ならエージェント型が良いと言ったのは、まず専門の人間にアドバイスをもらえるということ。 何をどうすりゃ分からん状態で無闇に動くより効率よく動けるし、よろしくないことをしてる場合は是正してくれる。 あとは自分の視点では見つけられない、目に留まらない求人も出してくるので情報としても手広くなるという面もあるし、 何より、企業側と間に立ってやりとりをしてくれるのは心理的負荷が全く違う。
システム面では、レバテックキャリアはかなり簡素でGreen以下だったが、 dodaの方は、システム面も割と充実してた。 面接日程の調整システムは割と便利で、画面上から入力するだけでサクサクと調整が進められるので楽。 進捗や予定の管理を自分でやるのは他と変わらないけれど、 会社側との間に立って調整してくれる分、管理する負担はかなり軽減される。連絡はLINEで済むし。
…と、いいことばかり書いてるだけになってしまったけど、エージェント型が何も欠点のない素晴らしいサービスだと言う気はない。
まず、これはサービスごとの違いとは断言できないのだけど、書類選考の通過率は低めだった。 ググって調べてみたりしたところ、どうやらエージェント会社内での選考がまずあって、 そこで落とされるとそもそも志望先にまで行かない、というパターンもあるらしい。 まぁ本当かどうか確かめようがないので話半分だけど、一応の根拠として。
次に、転職活動の方針をちゃんと自分の中で固めておく必要がある。 そんなのエージェントに限らず当たり前の話だけど、進めていく上で自分でも気付かなかった本心に気づく場合もある。 最初に決まっていても後から変わっても、その都度エージェントに正しく伝えたり素直に相談したりをしないと、 希望とズレた求人ばかり来るし、当然いつまで経っても決まらないことになる。 良く言えば全部自分で決めてコントロールできる自己応募とは違って、 エージェントという外的要因が加わることは意識した方が良い。
あとは…次に書いていく。
エージェントの相性
エージェント型サービスを使う上で気にすることは、これに尽きると思う。
そもそもなぜサービスを2つも使ったかというと、 レバテックキャリアで最初に担当してもらったエージェントが信頼できなかったから。 具体的には、あらゆるレスポンスが遅い、こっちから確認しないと進捗の連絡が無い、予定をドタキャンされた等。
こりゃダメだと思ってdodaに登録した。 担当となったエージェントに事情も話したからか、かなり密にコミュニケーションを取ってくれて、 都度都度適切なアドバイスももらえた。この記事で書いてある「こうした方が良い」系の話は、 自分の経験を踏まえたものと、このエージェントから受けたアドバイスによるものが大半を占める。
ただ、レバテックキャリアの方も、 事情を話して担当を替えてほしいと言ったら即座に対応されて、別の担当になった。 こちらも十分に信頼できるエージェントになったため、結局両方のサービスを並行して利用しつつ転職活動を進めることになった。 とはいえ一度印象が悪くなったことに違いはないので、主にdodaの方を信頼して、 アドバイスも主にそっちから受けてた。まぁ、せっかく登録したしどっちかで決まればいいやと。 皮肉なことにレバテックキャリアの方で決まることになったが。
今回使った2サービスを比較するなら、新担当との比較でも親身さではdodaの方が上だったので、 個人的にはdodaを勧めたいところだけど、結局はサービスっていうより人が問題になる。 エージェントによっては忙しさの違いとかもあるだろうし、 合わないなと思ったらとっとと担当替えてもらうか別サービスを使ったりした方がいい。
現職を辞めるタイミング
2021年6月下旬辺りで、現職で一番お世話になってる上司に相談ベースで話をしたことがあった。 内容は「やめるか続けるかを悩んでる」というようなことを、グダグダと1時間以上。
転職活動なんてこっそりやって、次が決まってから「やめます」というのが普通だし正しいと思う。 しかし俺は以前にも書いたように上司を尊敬していたし、 会社が嫌いになって転職活動を始めたわけでもなかった。 何より自分自身を、曲がりなりにもエンジニアと名乗れるだけの能力まで育ててもらったという多大な恩も感じていた。
だからこそ、次の会社を決めた上で「1ヶ月後に辞めま〜す」はしたくなかったし、できなかった。 元々転職の多い業界だから出入りは日常だし、向こう(会社や上司)は気にしなかったかもしれないけど、 俺自身がそれを許せなくて、自分で勝手に決めた筋を通すという行動を取る必要があった。単なる自己満足。
自分自身が最終的に会社に退職届を出したタイミングは、次の会社が決まるより前だった。 つまり、転職先を決める前に仕事を辞めた (厳密に言えば有休消化に入った)。
辞めるのが先か、次を決めるのが先か
前述した通り、俺は次が決まってから辞める方が正しいと思っている。 もし俺の周りに転職する人がいて、どっちが先の方が良いかと聞かれたら、確実に「決めてから辞めろ」と言うと思う。 よっぽど別業種で準備がいるとか、激務で時間が捻出できないとか、絶対的なスキルを持ってるとかならともかく。
幸い自分は有休消化中に決まったけど、やっぱり焦りはあった。 焦りのあまり妥協を重ねた決断をしてしまうことにもなりかねないし、家族がいる場合は自分一人の問題ではなくなってくる。 少なくとも今の日本ではまだまだリスキーなことだと思う。
とはいえ、やはり現業と並行して転職活動をするのははっきり言って相当しんどかった。 別に激務ってわけでもない上に在宅勤務主体だったけど、仕事と日常をこなしながら履歴書作りや応募、 仕事終わってからの時間や昼休憩にすら面接予定を捻じ込んで、隙間時間には企業研究をして。 そこまでした挙句に面接で落とされることが続く状態は、肉体的にも精神的にも大きな負荷があった。
そんな状況と、そもそも現業のモチベーションが下がりっぱなしという事情も重なったことで、 先に気持ちが限界を迎えたので、結果的に転職先を決める前に辞める決断に至った。
まぁ…上と矛盾したことを言うけど。限界だと思うなら、とっとと辞めてから転職活動に集中すればいいとも思う。 どんな背景があろうと、肉体か精神が取り返しのつかないダメージを受けるよりマシだし。 自分がたまたま上手くいったから言えることかもしれないが、転職活動一本にすることで、 ダラダラと間延びせず短期集中で打ち込める側面は確かにあった。
転職活動に最も必要だったこと
最後に、実質で半年もかけた転職活動を振り返ってみて、何が一番大事だったかなと考えてみる。 自分の場合は、もともと持っていない高いスキルや面接でのアピール力ではなく、何度落とされても這い上がるという心持ちだったと思う。
転職活動はしんどい。家族は全面的にバックアップしてくれたし、俺の判断を尊重もしてくれた。 それでも何度も何度も迷って、心が折れて、落ち込むことはあった。
周りは気にしない
例えば、辞めると上司に言った時に、(引き留め文句ではないと信じているが)「今はもったいない」と言われたことがあった。 更に別のタイミングで、他の人に相談すると「家族いるんだから、辞めるんなら決めてから辞めろよ」と言われたことも。 次を決める前に辞めると周りに言った時は、みんなには一様に心配の反応をされたりもした。
その度に自分の判断が正しいと言えるほど、強い信念が当時の俺にはなかった。 だって、現業でいいポジションに来てると俺自身が思ってたし、 決める前に辞めるなんて家族を顧みない自己中心的な行動だと思ってたから。 本当にこれで正しいのかっていうのをずっと思って、その度に落ち込んでいた。
周りでたまたま同時期に転職活動をしていた先輩がいたのだけど、 数社受けて全部内定をもらったという話を聞いたことがあった。 自分自身はたくさん応募して全然決まらなかったというタイミングだったから、その差にまた落ち込んだ。 俺はなんてダメなやつなんだろうと。
今思えば、相手がそのつもりでないのに、勝手に自分が圧力に感じるような精神状態になってたように思う。 実際、誰が何を言おうと他人が自分の人生に責任を取ってくれるわけじゃないのだから、 焦る必要もないし心配なんか大きなお世話ぐらいに思ってれば良かったのだ。
家族の意見なら耳を傾ける必要はあるが、無駄に要らんプレッシャーをかけてくるようなら、 転職以前に別の問題があるような気もする。幸い俺にはその点は無縁だった。
面接で言われることは気にしない
面接に目を向けても、当然のように精神的に苦しい場面は多々あった。
ある面接では、「そんなこともしてないのに、よくエンジニアと名乗れますね」という内容を言われたこともあった。 別の面接では、「この言葉の意味を知ってるか?」「この技術の名前を知ってるか?」という質問を繰り返されて、 答えられないものがいくつもあった。圧迫面接なんてひとつもない。 純粋にエンジニアとしての考えから自然とそういう反応になっただけだったり、 スキルチェックの一環として淡々と確認していただけのことだ。
理不尽な言い分ならまだしも、どれもこれも採用する側としては当然のことしか言ってない。 それがわかってしまうから、ただただ今までの経験を全て否定された気分になった。 そんな大して持ってもいない自信までも根こそぎ粉砕されて、 もう立ち直れないんじゃないかと思うぐらい落ち込んだこともあった。
実際は、評価ポイントとしてそういうやりとりの切り返しを見たりすることもあるだろうし、 内容にどこまで相手の本心があったかなんて分かりようもない。
面接で言われたことをそのまま100%で受け止めてたら、自信を無くすだけだ。 「テメーの知ってるエンジニア像の全てが正しいと思ってるのかこの井の中の蛙のボケが」 ぐらいに思っててちょうどいいと思う。
とはいえ
えらそーに言ってるけど、俺がこの転職活動で実践できたことはひとつもない。 元々豆腐メンタルな自覚もあるのだけど、みんながみんな強い心で割り切っていけるかというと、 そんな簡単なことでもないと思う。頭で理解するのと、実践できるかは別の話だ。
何社応募して、何度も面接を重ねても、意中の会社にはお祈りされる。 「お前、いらん」という現実を何度も何度も突きつけられる。 そんなの誰だってしんどいに決まってる。
だから、落ち込むのは仕方ないとして、大事なのはそれでも這い上がれるかってことだと思ってる。 少なくとも、凡庸で若くもないエンジニアの俺が転職活動に失敗しなかった (と、現時点で思っている) 理由は、この一点に尽きる。
「成功するまでやれば失敗しない」みたいな締まらないまとめ方になったけど、 まぁ、自分がスゲーやつじゃないという自覚があるなら、そのぐらい泥臭くやればいいんじゃないかな。